研究と報告【投稿】
精神病院の経済的側面からの考察—精神病院はもうかっているか
村越 恒夫
1
1桜ケ丘保養院
pp.53-62
発行日 1967年2月1日
Published Date 1967/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203034
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
精神病床不足と精神病院ブーム
ひと頃の「静かな精神病院ブーム」も心なしか下火となってきたようである。現在は,地域社会において過度に乱立してきた精神病院自体が,意識的無意識的に競争場裡にたたされ,自活の道を選ばざるを得ない状況となってきた。
「精神病院ブーム」という表現が適切であるかどうかはとにかくとして,結核療養所の斜陽化に対比し,精神病院の過去数年間における増設傾向にはまったく目を見張らせるものがあった。厚生省の資料によると,昭和36年末から41年1月末までの約4年間に,全国で186病院48,802床の新設をみ,一般病院に併設されている精神病床を加えると67,347床(月間1374床),実に病院数で34.2%,病床数で63.2%の増という驚くべき実績を示している。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.