特別記事
高齢社会における歯科医療―訪問看護師に期待する歯科医療との連携
野村 眞弓
1,2
1特定非営利活動法人日本医学交流協会医療団
2千葉大学医学部附属病院地域医療連携部
pp.383-387
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100870
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歯科医療においては,1970年代に2大疾患であるう蝕(虫歯)と歯周病が感染性の疾患であることが解明され,両疾患の予防と管理の重要性が認識されるようになった。同じ頃,日本では人口の高齢化が始まり,高齢社会への対応が福祉国家政策のなかで重視されていくようになった。以降,医療政策の面では,高齢者の医療費負担の軽減,健康の維持・疾病の予防とともに在宅医療の推進が図られてきている。2000年4月からは介護保険制度が開始された。
このような社会の変化は,高齢者の歯と口の健康にどのような影響を与えているのか。今後,増加する要介護高齢者に歯科医療がどのようにかかわっていくのか。本稿では歯科医療政策の視点1)からその現状と課題を概観し,要介護高齢者のQOLに重要な役割を担っている訪問看護師,介護職の方々の歯科医療への理解と連携の一助になることを期待する。
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