特別記事
訪問看護ステーションと歯科の連携
鈴木 俊夫
1
,
鈴木 聡
1
1鈴木歯科医院
pp.218-221
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101032
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はじめに
地域医療の推進が声高にいわれ,訪問看護ステーションの役割は一層,大きくなってきている。高齢者ケアに関しては栄養摂取の改善が,誤嚥性肺炎や褥瘡予防に効果があるところから,医療関係者が連携を図る取り組みとして,NST(Nutrition Support Team)の名称で医療施設へ,また栄養ケアマネジメントが介護保険施設へ,導入されている。しかし,いくらNSTが機能し,栄養ケアマネジメントが進められても,栄養を摂取する入り口である口腔機能が低下していては十分とはいえない。
ここ数年,歯科訪問診療にその成果を期待され,歯科治療による口腔機能の改善と歯科衛生士による口腔ケアが各地で取り組まれてきた。しかし,在宅療養をしている要介護者の介護サービス計画は,介護支援専門員(ケアマネジャー)が策定し,利用者から要望があれば,訪問看護や歯科訪問診療の依頼が寄せられることになっている。介護支援専門員が口腔ケアの視点をもっていなければ,どんなに劣悪な口腔内であっても問題として取り上げられず,放置されることになる。
筆者らはそのような状況を補填する意味からも,訪問看護ステーションと歯科医療施設が,連携を図っていかなくてはならないと考える。
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