特集 職業としてのケアマネジャー
ケアマネジャーに求められる資質と継続教育の必要性―在宅ホスピス医の視点から
小澤 竹俊
1,2
1めぐみ在宅クリニック
2前横浜甦生病院ホスピス病棟
pp.1092-1098
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100757
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はじめに
2006(平成18)年4月の診療報酬改定では,病院ではない,在宅や介護施設などで最期を看取ることを意識した配慮が明示されました。そこで新たに制度化された在宅療養支援診療所は,現在(10月10日)全国に約9000か所が登録され,今後,地域での看取りの積極的な展開が予想されています。それに伴ない,これまで介護保険を運用しながら地域での生活支援を行なってきたケアマネジャーには,生活支援だけでなく住み慣れた地域での看取りを意識した支援も求められるようになってきています。
患者さんから,「はやくお迎えが来ないかなぁ」「私の人生はいったい何だったのだろう?」といった,答えることのできない問いかけや,「どんなにがんばっても,元気に歩くことができません」「もう少し孫が大きくなるまで生きていたいと思っていたのですが,もうその時間がないことが悲しくて……」といった,安易な励ましが通じない語りが聞かれるのが,終末期の臨床現場です。この終末期の看取りを,今後は,在宅療養支援診療所や訪問看護ステーションのスタッフによって,地域で担うことが期待されています。ケアマネジャーに求められることは,単に症状緩和の知識だけではなく,コミュニケーションスキルや他職種とのコーディネートなど,いっそう重要になってきます。
地域で看取りが展開される時代に沿ったケアマネジャーの資質と継続教育の課題を,看取りを専門にする在宅ホスピス医の立場から述べていきたいと思います。
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