特集 入退院をめぐる病院との連携
病院とステーションの連携
藤原 泰子
1
1済生会三田訪問看護ステーション
pp.174-180
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100633
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はじめに
平成12年4月より施行された介護保険制度は,まもなく発足後3年になろうとしている。本制度は,今まで家族介護に依存してきたわが国の高齢者の介護が,高齢者の増加に伴って,家族にも負担できなくなったために,社会全体で担うという考えから生まれたものである。しかしながら,増加する高齢者と彼らが必要とするサービス提供量が比例しないため,介護保険でのサービスを受けたくても受けられない状況がある。また,昨年10月の医療保険改正により医療機関への長期入院ができにくくなり,医療依存度の高い高齢者が在宅へと強制的に移行しつつあるため,在宅療養者の療養環境はますます厳しくなってきている。
訪問看護ステーション(以下,ステーションと記す)は,このような医療依存度の高い在宅療養者を支える要の役割を果たしていると自負しているが,訪問看護を行なっている当事者の認識と医療関係者の理解に大きな開きがあることが,入退院をめぐる病院との連携のあり方を左右している。
本稿では,ステーションと病院との連携が円滑に取れない現状について分析すると同時に,その解決方法についても言及したい。
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