特集 ワクチンのよくある質問に答えます
【状況に応じて必要となるワクチン】
❶海外渡航時のワクチン接種—初めてタイにボランティアで行くのですが、ワクチンは必要ですか?(具体的には農業の手伝いをしながら1週間はキャンプを行う予定です)/経由地であってもワクチンは必要ですか?
伊藤 有沙
1
,
森 博威
1
1順天堂大学医学部附属順天堂医院総合診療科
キーワード:
海外渡航者
,
予防接種
,
A型肝炎
,
B型肝炎
,
トラベルメディシン
Keyword:
海外渡航者
,
予防接種
,
A型肝炎
,
B型肝炎
,
トラベルメディシン
pp.47-49
発行日 2025年1月15日
Published Date 2025/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350010047
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◦国ごとに異なる接種ルール
渡航前の診察時には、最初に厚生労働省検疫所のホームページ「海外で健康に過ごすために(FORTH)」1)を確認しよう。このサイトでは、海外の感染症の流行状況や予防方法などを確認できる。まずは、渡航先がアフリカもしくは南米か確認が必要である。アフリカおよび南米の一部の国は、入国やビザを取る際に黄熱ワクチンの接種歴(イエローカード)が求められる。黄熱ワクチンは原則入国10日前までに予防接種を済ませる必要があるが、国ごとに複雑なルールがある。
渡航先の入国時にワクチンの要求がない場合には、渡航先の国特有の感染症の予防のためにワクチンの接種を行う。FORTHのホームページで渡航先の国での感染症の流行状況を確認したうえで、渡航先での活動を詳細に聴取する。たとえば渡航先が都会か田舎か、またホテルで滞在するかハイキングやキャンプを行うかで感染のリスクは変わってくる。
ここでは、具体的にタイの例をみてみよう。
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