特集 訪問看護に役立つコミュニケーション技術
精神障害者との効果的なコミュニケーションのために―関わりの基本と簡易精神症状評価尺度の活用
脇﨑 裕子
1
,
福原 百合
2
1西南女学院大学保健福祉学部看護学科
2若久病院看護部
pp.661-670
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100543
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はじめに
■精神障害者の孤立を避けるには
厚生労働省は,精神障害者の社会的入院の解消を図るため,2003年から始まる「新障害者プラン」において社会復帰施設の整備目標を示し,10年間で7万2000人の退院,社会復帰を目指すとしている。
しかし,精神障害者を地域で支援するのは容易なことではない。
通常,疾病によって苦痛が生じた場合は,医療者への支援のニーズは当然高くなるが,統合失調症の患者の場合,その認知の歪みゆえに周囲の人を遠ざけ,孤立し,さらに症状を悪化させてしまう。
これらの問題を未然に防ぐには,あるいは早期に医療者が介入するためには,患者の精神内界で起こっている症状を的確に把握することが重要である。
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