Japanese
English
研究と報告
慢性精神分裂病患者の単身生活退院に関連する精神症状と生活障害—陽性・陰性症状評価尺度と精神障害者社会生活評価尺度を用いて
Psychiatric Symptoms and Living Disabilities Related to Successful Independent Discharge of Chronic Schizophrenics: assessment with PANSS and LASMI
山科 満
1,4
,
岩波 明
2
,
岩崎 晋也
3
,
安西 信雄
1
,
風祭 元
1
Mitsuru YAMASHINA
1,4
,
Akira IWANAMI
2
,
Shinya IWASAKI
3
,
Nobuo ANZAI
1
,
Hajime KAZAMATSURI
1
1東京都立松沢病院
2昭和大学医学部精神医学教室
3現,法政大学大原社会問題研究所
4順天堂大学医学部精神医学教室
1Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital
2Department of Psychiatry, Showa University School of Medicine
3Ohara Institute for Social Research, Hosei University
4Department of Psychiatry, Juntendo University School of Medicine
キーワード:
Schizophrenia
,
Rehabilitation
,
Life skills
,
PANSS
,
LASMI
Keyword:
Schizophrenia
,
Rehabilitation
,
Life skills
,
PANSS
,
LASMI
pp.381-387
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904748
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- サイト内被引用 Cited by
【抄録】 社会複帰病棟に在棟し単身生活を目指す慢性精神分裂病患者38名について,精神症状を陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)で,生活障害を精神障害者社会生活評価尺度(LASMI)で評価した。1年後の転帰により退院群17名と入院継続群21名に二分し,2群間でPANSSとLASMIの評点を比較したところ,PANSSの3尺度では有意差はないが,LASMIのサブスケール中「日常生活」「労働または課題の遂行」で退院群が有意に評価がよいという結果が得られた。この結果から,単身生活を目指す精神分裂病患者の退院可能性を評価する際には,患者の行動観察から得られる生活障害の評価がより重要であると考えられた。さらにLASMIの評価項目のうち2群間で有意差が得られた8項目について検討を加え,それらの評価項目が退院後の単身生活の質に直接かかわる指標であるだけでなく,精神症状と関連があり,さらに生理学的なレベルでの疾病からの回復という意味合いまでも含む,広範な情報をもたらすものであることを述べた。
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.