特集 介護保険の苦情相談―どんな苦情があり,どのように対応しているのか
介護事業者から見た苦情相談・処理と対応の実際―ナースケア湘南での苦情事例から
菅原 由美
1
1有限会社ナースケア
pp.364-371
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100509
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苦情とは
苦情とは何なのでしょう。単なる不平,不満の延長なのでしょうか。苦情を言われ,気分をよくする人はだれもいないはずです。言うほうも言われるほうも気分が悪くようなるようなことが起きないため,私たち事業者が,利用者からの小さな不平不満をしっかり受け止め,その対策を取るべきです。私自身,事業主としてまた介護支援専門員(ケアマネジャー)として常にその気持ちをもち,日々仕事をしてきたつもりです。しかし,力が及ばず,また自分の想像すらできなかった形で苦情が行政にあがり,戸惑い悩んだ経験を事例としてここに紹介させていただくことで,同様な失敗をし,悩み苦しむヘルパーやナース,またはケアマネジャーや事業主の方が少しでも少なくなればと考え,恥を忍んで公表させていただきます。
私たち民間事業者が利用者に言われる苦情にはいろいろなパターンがありますが,今回大きく4つに分けました。まず第1は,利用者から事業者への苦情です。第2に事業者から利用者へのもの。第3に利用者から行政へのもの。第4に業者から行政のものといたしました。
第3,第4に関しましては本来,直接行政サイドに苦情としてあがるべきものですが,不平不満として事業者が聞くことが非常に多いものです。また第2のものに関しましては利用者から言われるものではありませんが,事業者として常に感じていることですので,今回ここに記載することといたしました。
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