特集 在宅リハと訪問看護の連携を探る
診療所における地域リハと訪問看護―豊かな診療所・今昔ものがたり
木寺 宏之
1
1医療法人神戸整形外科医院リハビリテーション科
pp.200-205
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100485
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「医療的交番」としての診療所
俗に「町医者」と呼ばれる診療所は,最近の動向では「かかりつけ医」と呼ばれている。その大きな役割は,主に地域での医療面での診療であるが,時には家族ぐるみの相談にいつでも気軽に行ける「よろず相談所」的な場という面も持っている。
神戸(かんべ)整形外科医院は開院30年という時の流れのなかで,地域医療とともに,そうした「町の相談役」としての役割も担ってきている。この地区の家族全員がなにかしらの病気で,一度は当院にかかったことがあるという身近な診療所であるが,それとともに,健康や医療に関してさまざまな悩みや相談を持ちこめる馴染みの「町の相談所」としても地域住民に親しまれてきた。この近所では,なにかにつけて,「ちょっと,かんべさんに行ってくる」というような言い方がよく聞かれるのも,そうした事情を反映しているものと思われる。そういう意味では,診療所は町のなかの身近なところにある「医療的交番」といえるかもしれない。
当院の地域医療機関としての診療圏は主に中学校校区であるが,それは守備範囲をこれ以上広げると,こうした「町医者」として,また「町の相談役」としての役割が果たしにくくなるという理由からである。
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