連載 訪問看護 時事刻々
今月の話題 ロケット打ち上げ失敗
石田 昌宏
1
1日本看護連盟
pp.69
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100464
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11月29日,情報収集衛星2機を載せた国産ロケット「H2A」6号機が,鹿児島県・種子島から打ち上げられた。しかし11分後,地上からの指令で爆破された。第1段ロケットに取り付けられた大型固体補助ロケット2本のうち1本を分離できなかったため,衛星を軌道投入できる見込みがなくなり,地上被害を防ぐために爆破されたのである。この失敗は,日本の宇宙技術への信頼を大きく揺るがすものであった。
タイミングも悪かった。中国が有人宇宙飛行を達成した直後なだけに,成功と失敗の落差が余計に印象的となってしまった。さらに,打ち上げもとであるJAXAは,宇宙開発に携わる3機関(文部科学省宇宙科学研究所,航空宇宙技術研究所,宇宙開発事業団)が統合し,独立行政法人として10月1日に発足したばかり。JAXAは,発足にあたって,「100回以上打ち上げても失敗しないロケットの開発」を目標に掲げたが,初の打ち上げが最悪の結果になってしまった。
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