研究報告
実践者が考える訪問看護の専門性―在宅看護学教育の基礎的資料として
木下 由美子
1
1筑波大学大学院人間総合科学研究科
pp.318-325
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100123
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はじめに
訪問看護は1970年代に医療機関から家庭を訪問する看護として始まり1),1991年に老人訪問看護制度ができて老人訪問看護ステーションが設立され,その後老人以外にも対象者を広げた訪問看護として日本全国に広がった。2000年からは介護保険が導入され,2004年に訪問看護ステーションは5571か所になった。
しかし,訪問看護とは何をするのか,医療機関の看護師や地域の保健師とどこが違うのかを明確にしなければ,地域の人々や保健・医療・福祉職の人たちに理解を得ること,訪問看護に従事する有資格者(訪問看護者)を増員することが難しいだろう。
そこで,本研究では,訪問看護の実践者が経験を通じて考えている訪問看護の専門性を明らかにすることで,在宅看護学教育の基礎的資料にしたいと考えた。なお,本研究では,専門性を「共有する価値および倫理,そして自らの能力で処理できる知識と技術」と定義する。
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