研究・調査・報告
女子短大生の性認識について—母性教育の基礎資料として
鈴木 郁子
1
1長崎女子短期大学
pp.108-113
発行日 1980年2月25日
Published Date 1980/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205668
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1.緒言
婚期を間近かにした女子短大生に対する広義の性教育を充実させ,母性の確立を図ることによって,育児ノイローゼや子殺しなどのいまわしい事件が防止できると,小児保健学会でも指摘されたことがある。また,長崎県の人工妊娠中絶を含む死亡率は75.2(昭和52年)と報告されており,全国平均51.5に比して高率である。さよに短期大学1年生のある学生が,10か月も月経が停止し,不安であると訴えてきたところから実施した月経の実態調査では,入学を契機とした,月経周期の不整,随伴症候群の多発がみられ,それに伴う悩みが深刻であることが推察された。この原因としては,短期大学入学による環境,生活パターンの激変,親もとを離れて新たな対人関係から生じる精神的緊張,不安などが考えられた。
そこで,こうした問題点を持つ学生の性認識の実態を明らかにして,保健関連講座の成果をあげたいと考え,本調査を実施した。
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