連載 診療所日誌・2
診療所の朝
小笠原 望
1
1大野内科
pp.170-171
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100092
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ぼくの診療所の朝は早い。8時から診療を始めるのだが,7時に診療所を開けると,受付に名前を書く(「順番を取る」と近所の人が言う)ために,ぽつぽつと患者さんや家族の人が訪れる。田舎のかかりつけ医が全部を予約診療にするのもどうかと思い,今は午後の一部だけ予約制にしている。
四万十川に架かる赤鉄橋は,全長600m以上はあり,診療所から鉄橋を渡ると中村の町に入る。この鉄橋を歩いて,町から受診する人もいる。橋の上は川風がけっこうきつく,とくに冬はお年寄りが歩くにはなかなか大変だ。宮崎さんはこの鉄橋を手押し車を押してやって来る。それも,朝早くに一度「番を取りに来て」から,都合2往復するのだ。
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