想園
看護婦寮の朝
柏木 妙子
pp.70-71
発行日 1964年11月1日
Published Date 1964/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912446
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東京は毎日の暑さでうだるような毎日だった。水飢謹も益々ひどく,一般都民は大そう難儀をしていた。幸か不幸か病院というところにいる私たちは比較的水にめぐまれ断水時も井戸水と交互に使い,事実上の断水はなかった。有難いと思う一方一般の方には申しわけないような気もする。最近ばかりではない,この2〜3年節水を呼びかけているが,さて水が少なくなった節水だという前にもっと日頃からなぜ水の大切な事を十分に知らせないのだろう。それは子供の頃から知らなくてはならないのではないだろうか。
ある国では,水の代りに葡萄酒を飲むとか,またコーラのような物を飲むとかいう事を聞いた。日本の水ほどおいしく,また日本ほど水に恵まれた国はないといわれる。恵まれ過ぎてかあまり有難さを知らな過ぎるような気がする。
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