特集 看護制度その問題点と動き
保助看法改正に思う
菊地 真一郎
1
1日本医師会
pp.36-37
発行日 1964年9月1日
Published Date 1964/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912356
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去る4月25目両国で日本看護協会の総会があり,席上小林厚相は「看護婦の待遇改善を計るために,次の国会に必らず法律改正案を提出する云々」と言明して会員諸姉の大拍手を受けた。また助産婦会の最高責任者横山参院女史は,「自らが使う看護婦は使い易いものにしておけばよいのだ。あまり余けいな世話はやいてもらいたくないと考えている医者が多いから困る云々」の意味を中心に形式的な保助看法改正の早急実現を長々とブチ上げた。
保,助,看法改正試案が,日本看護協会方面から一部に発表されたが,これに対し如何なる反響があったであろうか。先の総会では「幹部横暴」として会員から相当強く突き上げられたと聞いている。果たしてその内容を検討した上での批判があったかどうか。全国,保助看婦諸姉が試案の内容について充分掘下げた上での「突上げ」であったとすれば,その理由の明示があって然るべきと思うが,未だに私の目にふれて来ない。半年も前のこと,林会長等から例の試案が武見日本医師会長に内示されたので,早速我々は我々なりの立場で,前後左右から細目にわたり試案の検討を行なった。その結果は,「原案に賛成出来ない」と結論した。もちろん,厚生省や国会方面にもその意志をはっきりと伝えておいた。その後,この試案の国会提出は,諸般の理由(単に日医の反対のみではなかった筈)で陽の目を見ないまま今日に至っている。
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