連載 町看護婦から医療を見ると・11
小さなつながりであっても
新田 幸代
1
1新田クリニック
pp.939
発行日 2000年11月10日
Published Date 2000/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902295
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Mさん(82歳・女性)は,東京で独り暮らしをしていました。20年来の糖尿病に心筋梗塞を併発したのをきっかけに,隣県の娘さんのマンションに越してきました。
それまでの主治医からの診療情報提供書を持参して,私どものクリニックを訪れたMさんは,心細そうな表情で待合室に座っていました。そして,初診のアナムネーゼをとった私に「ここに越してきたばかりで,知った人が誰もいない」と言いました。私が「それでは,ここで初めてできたMざんの知り合いは私ですね」と言うと,「そうね」とやっと笑ってくださいました。
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