コーヒーブレイク
小さな喜び
T. S.
pp.937
発行日 1984年10月1日
Published Date 1984/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203173
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買物をして,おつりが多かったのに気づいたとき,もうかったと思い,そのまま知らぬ顔をする人が多いようである.わずかなつり銭でも返却して,大変喜ばれ,うれしかった経験を二つあげる.
◇ アメリカに留学中,毎週のようにデパートの写真機店に行って,フィルムを買い現像,焼付をたのんでいた.あるとき,1箱2ドル50セント(?)のフィルムを5個買って,20ドル紙幣を出したところ,つり銭を17ドル50セントくれた.10ドル多すぎるといって返却したところ,彼女は,恥ずかしいような,嬉しいような顔になって,全身が笑みというような態度になった.アメリカ人は,暗算なんて全く出来ないと思っていたので,それを眼前に見て,こちらもいい気持ちになった.それ以後は,顔を覚えていてくれて,筆者の姿を見ると必ず寄ってきてサービスをしてくれた.それからは,よりしばしば行くようになり,お蔭で写真技術は上達した.
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