看護管理 マンパワー管理
新規採用看護婦のリアリティショック対策としての面接相談活動(コンサルテーション活動)の導入
上泉 和子
1,5
,
島田 陽子
2,5
,
落海 真喜枝
3,5
,
横内 美代子
3,5
,
鶴田 恵子
4,5
,
藤木 佳代子
3,5
,
鈴木 妙子
3,5
,
縄 秀志
1,5
1兵庫県立看護大学
2日本看護協会中央ナースセンター
3東京医科歯科大学医学部附属病院
4横浜市衛生局医療対策部病院事業課
5離職防止対策研究会
pp.335-342
発行日 1994年7月15日
Published Date 1994/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902249
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はじめに
看護のマンパワー不足は深刻な問題であり,看護職員の確保対策が進められる一方で,有能な看護婦をできるだけ長く職場にとどめ,力を発揮してもらうような定着を促進する対策の検討が必要と言われている.1991年度日本看護協会基本調査の結果によれば,在職年数の「全国平均」は8.2年で,「医療法人・個人」病院では平均5.6年という結果であった1).1989年の全国平均が10.0年であったことと比較すると,さらに勤続年数は減ってきている.また,年齢別にみると,20代ですでに退職を経験しているのはおよそ30%で,退職時の平均勤続年数は5年未満と回答しているのは75.4%であった.
勤続年数や離職といった異動の問題のみならず,一方では若い看護婦たちの心の健康もまた注目されている.Kramerは,臨床に出たばかりの看護婦が理想と現実とのギャップからこうした心の健康に障害をきたしているということを「リアリティショック」と定義した2).心の健康の障害は若い看護婦の離職の原因の1つとなっているばかりでなく,たとえとどまっても燃えつき状態に陥るなど,看護ケアの質の低下にも影響を及ぼしてくることが予想される.そこで看護婦の心の健康の維持と回復に焦点をあてて対策を講じることが課題となり,リエゾン精神看護婦の必要性や活動について報告が行なわれてきた3,4).
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