特集 看護面接の追究(1)
神奈川県保健指導技術講座より
看護活動と看護面接
松野 かほる
1
1国立公衆衛生院衛生看護学部
pp.15-18
発行日 1972年8月10日
Published Date 1972/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205120
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はじめに
いま,看護の領域では看護の対象について,あるいは患者中心の看護などに関して論議が活発にくり返されている。それにともなって人間関係の技術,いいかえればケースとコミュニケートする技術についての関心も高まっている。つまり看護職にとって本質的に求められるのは人間の理解であり,対象となる人間のニードをとらえる能力(ケースのニードを細かく観察し,それを解釈し,判断する力)とそれにこたえる専門技術を有することが,看護職としての必須条件であるという認識である。ケースに働きかける目的はケースのニードを満たし,健康を保持・増進することにあるのはいうまでもない。
ヘンダーソンは"看護の独自の職務は健康,不健康を問わず,各個人を手助けすることにある。どんな点で援助するかというと,健康生活,健康への回復(あるいはまた平和な死への道),これらはもしその本人が必要なだけの強さと意識と知識とを兼ねそなえていれば,人の手をかりなくてもできることかもしれないが,とにかくそうしたことに寄与する活動が看護婦の仕事である。そして患者あるいは健康な人の場合でもその本人を助けて,できるだけ早く自分で自分の始末をできるようにするといった方法で,この活動を行なうことである"と述べている。
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