看護管理 調査・研究
退職看護婦の動向と退職に至るプロセスに関する考察―国立大学病院における過去5年間の退職者調査から
広瀬 泰子
1
,
草刈 淳子
2
,
長友 みゆき
2
1岐阜大学医学部附属病院看護部
2千葉大学看護学部附属看護実践研究指導センター
pp.243-250
発行日 1995年5月15日
Published Date 1995/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902194
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
はじめに
G大学医学部附属病院における過去5年間の平均退職率は11.3%であり,全国並みといえる.しかし,年齢階層別にみると,25~29歳の退職者割合が年々高くなっており,1993(平成5)年は,42.6%を占めるに至っている.このことは,看護力の減弱につながるだけでなく,看護組織の将来的発展からも,等閑視できない問題であると考える.
米国において,離職者の面接調査を行なったLandstromらは,「『辞めたい』と考え始めた初期の段階に適切な管理的介入があれば,88%の看護婦は離職に至らなかったであろう」と報告している1).当院における退職者の場合はどうなのか,看護管理の視点から,退職者の特徴,退職に至る感情と行動のプロセスを明らかにしたいと考えた.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.