特集 患者中心の面会を実践する
ICUにおける面会
危機状況にある患者-家族のニーズに応える
道又 元裕
1,2
1日本看護協会看護教育・研究センター看護研修学校
2前:東京女子医科大学附属病院看護部
pp.790-796
発行日 2000年10月10日
Published Date 2000/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902010
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はじめに
クリティカルケアの場(ICU:Intensive care unit)においては,能率的治療・看護,感染予防,患者の安静保持などの理由から一般的に厳しい時間制限のもとに面会体制が敷かれていることが少なくない。
1987年に日本集中治療医学会看護問題検討委員会世話人代表等1)がわが国のICUの面会に関する調査を行なった。それによると,「1回当たりの面会時間」は80%以上が15分以内,回数は1回が50%以上で,87%が2回までであり,この調査結果から,ICUの面会システムは,ほとんど医療者側の都合で決定されていることが示された。また,面会時の配慮については,医師は患者の病態に関する説明を行ない,病室運営に関する説明は看護婦が行なっているが,患者・家族の心理的,社会的援助は医師,看護婦ともに不十分であることも示唆された。
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