特集 婦長・主任のための看護過程と看護診断
クリニカル・パスに看護過程・看護診断をどう生かすか
市川 幾恵
1
1昭和大学病院看護部
pp.691-696
発行日 1999年9月10日
Published Date 1999/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901978
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
医療環境は著しい変化の波に襲われている.これからの看護管理者は,少子・高齢化の社会構造の変化や,経済状況の変化から,様々な問題に立ち向かわなくてはならない.医療者と患者の意識にも著しい変化が見られ,必然的に医療サービスの提供方法とその医療サービスの満足度へ関心をもたざるを得なくなってきた.医療に対する国民の目が厳しくなってきたと言ったほうが正しいのかもしれない.病院の第3者評価に多くの施設が関心を示しているのも,同じ理由からであろう.
究極のところ,医療は技術ばかりではなく,信頼関係が最も基盤となり,そこには真のチーム医療の実現が,医療者側にも患者側にも要求されているということである.「今,看護管理者に求められているものは何か」と問われれば,私はためらいなく,そのチーム医療の実践のための看護の整備であると答える.しかしながら,われわれは,チーム医療のメンバーとして機能しうる看護を提供できているだろうか.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.