特集 カルテ開示時代の看護記録
〔資料〕日本医師会診療情報提供に関するガイドライン検討委員会中間報告 医療情報の適切な提供を実践するための指針について/国立大学附属病院における診療情報の提供に関する指針(ガイドライン)
日本医師会診療情報提供に関するガイドライン検討委員会
pp.524-527
発行日 1999年7月10日
Published Date 1999/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901963
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前文(抜粋)
4.上記の厚生省検討会の報告書(本誌注:1998年6月18日「カルテ等の診療情報の活用に関する検討会」報告書)が提示した,診療情報の提供,診療記録の開示等を法制化すべしとの結論は,近時,より具体的かつ差し迫った立法化の議論へと発展している.しかしながら,日常診療の中で,患者の自己決定権を尊重し,医師・患者相互間の信頼関係を醸成するための診療情報の提供は,元来,法的な権利・義務関係,特に法的な強制に馴染むものではない.何故ならば,この種の問題は,法による強制では,ほとんど効果が期待できず,関係者の自発的,積極的な履行によって,初めて,その実を挙げ得るものといえるからである.したがって,これらの問題は,まさに,医師の職業倫理,医師団体の倫理規範に委ねられるべきである.事実,多くの先進諸国では,訴訟のための診療記録等の開示は訴訟関係の法制度に委ねる反面,それ以外の開示については,法制化することなく,医師の職業倫理,医師団体の倫理規範に委ねることにより,その実効を挙げているのである.
本委員会は,諸外国の医師たちの貴重な経験などを踏まえて,医師が真に自律性を発揮することによって,これまでの官僚主導の医療のあり方を改めることができると考えるものである.
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