特集 マネジメント能力の向上を目指して
インタビュー 時は金なり―上手な時間の使い方
村松 静子
1
1在宅看護研究センター
pp.161-167
発行日 1991年5月15日
Published Date 1991/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901816
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村松さんに初めてお目にかかってから何年になるだろうか.『看護学雑誌』で在宅看護の特集を組むことになり,川島みどりさん(健和会臨床看護学研究所所長)から「日赤看護短大でボランティアとして在宅看護に取り組んでいる人がいる」との紹介を受け,彼女に電話で原稿執筆を依頼したのがきっかけだった.その依頼は断られてしまったのだが,電話の対応が上手というより,彼女の快活な人柄が伝わってくる会話に,すっかり引き込まれてしまったのをよく覚えている.断られた残念さをちっとも感じさせない気持ちのよい電話だった.原稿依頼とは別に一度会っておきたいと思わせる"何か"が彼女にはあった.後日初めて会うことになるのだが,その時にどんな話をしたのかは全く覚えてない.恐らく自分の直感が当たっていたことに納得して帰ってきたのだろう.それ以来のおつき会いということになる.
そのうち,彼女は在宅看護事業を仲間と始めることになり短大を退職,高田馬場に「在宅看護研究センター」を設立したのだった.民間で初めての在宅看護事業の誕生である.この構想を彼女から聞いた時には,正直なところ半信半疑だった.何しろ前例のない事業に,しかも看護婦だけで取り組むというのだから「ほんとにやるの,できるの」という気持ちと,「彼女だったらやってしまうかもしれない」という気持ちが入り混ざった複雑な思いだった.しかし,一度決断すると彼女の行動は早い.
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