Hospital Topics 経営
引当金について
針谷 達志
1
1病院管理研究所経営管理部
pp.84-85
発行日 1964年10月1日
Published Date 1964/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202441
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期間損益計算を課題とするこんにちの企業会計では,当該期間に帰属すべき費用,収益を確定することが必要である。すべての費用・収益は過去・現在・将来の収入・支出にもとついて測定し,また各期間の発生額が把握される。このうち,特に将来の支出にもとづいて当期に発生した費用の額を把握するものが引当金である。すなわち引当金は,一般的にいえば,将来の特定支出に対する準備額であって,その当期に帰属すべき負担が,当期の発生費用として見積られたものであり,その準備額を示す貸方科目が引当金である。
引当金を一元的に定義することはむずかしい。同じく引当金とよばれるもののうちにも,退職給与引当金,納税引当金,修繕引当金など負債性引当金といわれるもの,減価償却引当金など評価性引当金といわれるもの,渇水準備金など留保利益の性質をもつ剰余金性引当金といわれるものなど,いろいろな種類のものがある。ただ,多くの場合,引当金は正確な期間投資を計算するため,すなわち期間損益計算上の必要から計上されるものであるから,その本質は期間損益計算の立場からつかまなければならない。
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