特集 新任看護婦のためのオリエンテーションプログラム再考
スチュワーデスの新人教育訓練―全日空訓練センターを訪ねて
川内 光
1
,
梶田 恵美子
1
,
西元 勝子
2
1全日空営業本部教育訓練部サービス訓練課
2自治医科大学看護短期大学
pp.108-113
発行日 1991年3月15日
Published Date 1991/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901806
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
さすがと思わせる訓練への投資
羽田空港から車で15分ほどの所にある全日空訓練センター.外側から見ると何の変哲もないビルの中には,様々な"仕掛け"が詰まっていた.実物の飛行機の客室の一部をそのまま切り取ってきたモックアップ(実物模型).それも,一機種だけではない.現在全日空が所有している主な機種,ボーイング747,767,トライスターのそれぞれのモックアップがビルの中に収まっていた.それに,大きな室内プール.プールサイドに置かれている緊急着水時脱出用のゴムボートがなければ,トレーニングジムと見まがうようなつくりだ.ちなみに,このプールは社員の福利厚生にも使っているのかと聞いたところ,純然たる訓練のためのものだという.もったいないと思うのは素人の感覚.安全性という航空会社の第一の使命を果たすためは,私たちの知らないところで,このような投資あるいは訓練が行なわれているのである.
ついでに見学させてもらった中に,パイロット訓練用のフライト・シミュレーション・システム(模擬飛行装置)もあった.これは,飛行機のコックピットをそのまま持ち込んだもので,外側には実際に操縦しているのと全く同じような動きをつくり出すための動力装置と,それをコントロールするためのコンピュータが取りつけられている.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.