手のひらで知る世界 目は見えず耳は聴こえずとも・5
視力障害センターでの訓練
石井 康子
pp.521-523
発行日 1979年5月1日
Published Date 1979/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918677
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
やっと視力障害センターへ入れる
厚生省・文部省などへ回るため上京して,米子へ帰ると市内は上京する前と変わりなく積雪が白く輝いていた.そしてごく日常の人間の営みがそこにあった.みんな日々の活動を続けていた.ああ私も自分の仕事が欲しい.何かでっかい事をして偉くなりたいのでは決してなかった,ただ平凡な当たり前の暮らしがしたいだけだった.
その平凡で当たり前な,かつ単純なことがどうしてこうも難しく複雑にゆがめられて,仕事もできない世の中になっているのだろう.見えないこと,聴こえないことがどうして働いてはいけないことの理由なのだろう.この単純な疑問にはいつもいつも同じ答えが周囲から返ってくる.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.