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増大特集 知っておきたいリハビリテーション・テクニック
ベッド上訓練から歩行まで
歩行訓練―外出訓練
Exercise for Going Out.
竹内 孝仁
1
,
木村 義徳
1
Takahito Takeuchi
1
,
Yoshinori Kimura
1
1日本医科大学リハビリテーションセンター
1Rehabilitation Center, Dai-ni Hospital, Nippon Medical School
キーワード:
外出訓練
,
段差
,
外出介助
,
外出用持ち物
Keyword:
外出訓練
,
段差
,
外出介助
,
外出用持ち物
pp.825-828
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107164
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はじめに
基本的には他のADLと同じような性格を持つと思われるものの,「外出」には訓練と呼ぶべきなのか実際行動と呼ぶべきかの,ある種の不鮮明さがある.例えていえば,食事や排泄は動作だけを取り出して訓練できるが,このような意味での「外出」を訓練するイメージは描きにくい.
原稿を書くにあたって,問題点を整理する目的で簡単な実態調査を行ってみた.ここでの主旨とは異なるのでその詳細は省くが,結果として浮かび上がったことは,今回の調査対象とした在宅脳卒中者の外出状況が,保健所の機能訓練教室や病院(通院),福祉作業所など1~2の決まりきった場所に限られ,買い物など比較的固定されない自由な外出が非常に少ないという事実であった.しかもその実態をもたらす要因として,また「訓練」の手がかりともなるべき本人の機能・能力状態,外出先の物理環境などはあまり関係がないという事実である.これはふだん実際場面から得られる印象と一致している.おそらく外出に最も影響しているのは行動意欲と呼ばれる心理的な要素なのであろう.となると,外出という実際行動をより活発にするためには,本人の心理的な側面への働きかけが最も重要だということになる.少なくとも「訓練」を考える際にこのことの重要性を常に念頭においておく必要はある.
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