医道そぞろ歩き—医学史の視点から・48
薬物を集大成したディオスコリデス
二宮 陸雄
1
1二宮内科
pp.712-713
発行日 1999年4月10日
Published Date 1999/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906006
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2世紀に書かれたガレノスの著作には多数の医用植物が記されている.筆者が『ガレノス・自然生命力』(1998年,平河出版社)で指摘したように,ガレノスが使った薬草の多くを数百年前にインドのスシュルタも記している.古くから東洋と西欧の間には薬草の流通があったと考えられる.
ガレノスの『単純医薬の性質と作用』を読むと,ガレノスは,紀元50年頃アレクサンドリアで活躍した辞書編纂家パンフィルスが『植物について』という薬草の本を書いたと述べている.実は同じ頃,ローマで教育を受けた軍人のプリニウスが,その晩年に37巻から成る『博物誌』を書き,第20巻から第27巻に医用植物を列挙した.
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