連載 ボランティアがつくり支える病院・4
アメリカ社会で期待される人物像
西村 由美子
1
1スタンフォード大学アジア/大平洋研究所 医療政策比較研究プロジェクト
pp.320-323
発行日 2002年4月10日
Published Date 2002/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901619
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●新生児の聴力テスト
私のアシスタントのジェイミーは医学部志望。実社会を経験してから進学したいと,スタンフォード大学を卒業後,しばらく医療関係のコンサルタント会社に勤務してから私のオフィスに移ってきた。ようやく重い腰を上げて,目下,医学部に出願中である。ジェイミーも小児病院で働くボランティアで,毎週水曜日午前9時から12時まで主に病院のNICUで新生児の聴力テストを受け持っている。
新生児にスクリーニング・テストを実施し,1000人に1人程度と言われる生まれつきの聴力障害児を発見するのが聴力テスト・ボランティアの仕事。専用の機器を用い,さまざまな周波数の音を新生児に聞かせて脳波の変化を測定する。健常児だけでなく,未熟児も,超未熟児も,全ての新生児がこのテストを受ける。年間出生児数はおよそ5000人だから,かなり人手を要する仕事である。
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