特集 実践能力の向上を支援するプログラム
看護過程を指導できる中堅の養成をめざして―大分医大プライマリーナース研修の概要
得丸 尊子
1
,
朝久野 洋子
1
,
荒金 郁代
2
1大分医科大学医学部附属病院看護部
2大分医科大学医学部附属病院教育
pp.105-114
発行日 2002年2月10日
Published Date 2002/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901570
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はじめに
少子高齢社会が到来し,医療の進展と専門分化が進む中,私たち看護職にとっては,看護の専門性を発揮する機会が以前にもまして増えてきた。「看護学」の体系が整い,看護の大学化とともに,学士・修士の修了者が臨床で活躍するようになってきた。
ところが臨床では,新卒者の未熟な看護技術の指導に時間をとられ,Benner1)の言う「中堅」看護婦・看護士への教育がなかなか進んでいない。なかでも,基礎教育で力を入れている「看護過程」が,臨床の場では「看護計画」「POS」「看護診断」といった言葉で形骸化されているように思われる。例えば,看護計画は立案されているが,患者の思いが入っていない看護婦・看護士の独りよがりの計画であったり,情報が少ない上に事実ではない推論が多く,当てはめ的に看護診断をつけていたりである。
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