特別記事
感染管理の波及効果―NICUのケアがここまで変わった
平良 慶子
1
,
伊波 めぐみ
1
,
長岡 弘子
1
,
大嶺 隆子
1
,
我那覇 直美
1
,
遠藤 和郎
2
1沖縄県立中部病院新生児ICU
2沖縄県立中部病院内科
pp.792-797
発行日 2002年10月10日
Published Date 2002/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901528
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はじめに
新生児ICU(NICU)に収容される患児は,生体防御能の未熟性に加え,侵襲的処置や検査を受ける機会が多く,感染症を発症しやすい状況にある。当NICUでは,ケアにあたる際の感染対策として,これまで入室時のサンダル履き替え,粘着マットの使用,ブラシを用いた手洗い,帽子・ガウンを着用し,また,児に使用する全てのリネン,器械器具などを消毒,滅菌していた。しかし,これらの対策にもかかわらず,MRSA検出数は増加傾向にあった。そこで,これを減少させるため,感染管理医師(ICD)の指導のもと,NICUの感染管理担当看護師を中心に,米国疾病管理予防センター(CDC)のガイドライン1)をもとに感染対策を見直し,改善に取り組んだ。その結果,MRSAの検出数と菌血症の発生数は減少し,さらに波及効果として業務量の軽減,経費削減の結果が得られたので報告する。
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