連載 生理検査のアーチファクト・20
—神経伝導検査⑤—刺激の波及
伊藤 栄祐
1
1旭川医科大学病院臨床検査・輸血部
pp.1382-1383
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207440
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
こんなアーチファクトを知っていますか?
図1は,同一健常被検者の手首の正中神経を刺激し,短母指外転筋(abductor pollicis brevis:APB)から電位を導出した運動神経伝導検査の結果である.これらはある一点を除き,全て同じ条件で記録した複合筋活動電位(compound muscle action potential:CMAP)の波形である.2つの波形を比較すると,①−APBに比べて②−APBは振幅が高く,起始潜時部分に初期陽性波を伴っているのがわかる(図1).電極位置やフィルター設定などは同じなのに,どうしてこのような変化が起こるのだろうか?
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.