特集 目標管理で看護組織は進化したか―臨床と教育の現場から
目標管理を教材とした実習を引き受けて
看護管理者が考える現場にもたらす波及効果―学びと成長のツールとして
高木 史
1
1労働者健康福祉機構中部労災病院看護部
pp.567-568
発行日 2004年7月10日
Published Date 2004/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100511
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看護部長として,中間管理者である看護師長に対し,(1)自立性の育成,(2)問題解決能力の育成,(3)職場風土の活性化,(4)自己開発の能力向上の4点を望んでいる。目標管理は,それらの能力向上に寄与するものだと考えている。毎年,管理実習を受け入れ,その実習をとおして目標管理の現状を客観的に見つめる機会を得ることは,看護部長・看護師長はじめ看護職員の育成と組織の成長につながったと確信している。
当院看護部の概要と目標管理の導入
中部労災病院(以下,当院)は,名古屋市南部地域に20診療科670床の病院として地域の急性期医療を担い,併設の看護専門学校,医師会等の看護専門学校の実習病院として,多くの後輩の育成に貢献している。しかし,看護師の年間離職者は多く,毎年,新入職看護師を約50名から60名受け入れている状況である。1998年4月の看護師の平均年齢は28.0歳,平均在職年数6.4年,経験3年以下の看護師が45.1%を占めていた。そのため,看護の質の向上になかなかつながらないことが大きな悩みであった。「個人のキャリアアップを図りたい」「在職年数を上げたい」,そうして,組織全体の看護の質の向上を図りたいと考えていた。若いスタッフが目標をもってキャリアアップを図るためにはどうしたらよいのかを模索し,1998年から本格的な継続教育の見直しを行ない,キャリア開発プログラムの構築に取り組んでいた。その過程で,スタッフがこのプログラムを十分に活用しキャリアアップするためには目標管理が必要であると考え導入するに至った。
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