特別記事
日本の看護と介護のこれからを問う―ドイツの看護教育制度を通しての提言
金井 一薫
1
1東京有明医療大学看護学部
pp.601-607
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102247
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いよいよわが国においても在宅医療・在宅看護介護の支援が本格化する。団塊世代の高齢化と並行して、国はこれまでの病院医療依存から脱却して、地域で最期までその人らしく暮らすことを支援する枠組みを整備しつつある。
日本の介護福祉士は、高齢化率が14%を超える頃(1990年代)から社会的に認知されはじめ、現在では高齢者ケアになくてはならない存在になっている。しかし、1987年に法制化されてから25年が経過した今日においても、その社会的地位は必ずしも向上せず、介護は相変わらず「誰にでもできる、低賃金のうえに、きつくてつらい仕事」のひとつにとどまっている。また、介護福祉士の専門的職種としての独立もままならず、すでに60校を超える大学において介護福祉教育が行なわれているにもかかわらず、その学問的基盤は未(いま)だ確立しているとは言えない現状である。
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