特集 企業に学ぶ病院経営
企業立病院の挑戦は続く―企業立4病院へのインタビューから学んだこと
杉野 元子
1
1看護組織開発研究所
pp.356-359
発行日 2001年5月10日
Published Date 2001/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901415
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ある県立病院A看護次長さんが,外来婦長時代,「ディスポ製品の管理」という課題を与えられたときの話を思い出した。いくつかの他病院の見学を勧められたが,Aさんはそれを断わったという。病院のディスポ製品は,品数が多く,値段も安値から高値まで幅があり,ロスを少なくして,期限や定数の管理もしなければならない。よく似た課題をもつ一流企業に学ぼうと発想したのだ。選んだのが生協。学ぶことは多かったという。コンピュータを活用しながら,バーコードで時間ごとの売れ筋をとらえたり,どこに並べるとよく売れるかまでキャッチしていく企業の考え方ややり方は新鮮だったようだ。
このAさんの話は,1993年頃から企業で使われている「ベンチマーキング」という言葉を思い出させた。ベンチマーキングとは,「他社がどのように顧客を見ているかを調査することにより,革新的なアイデアを求める方法」1)「元来の目的は他の業界の世界的な企業と業務上のアイデアやデータを比較することによりサービス提供システムを改善すること」2)「経験の比較」3)など,「現在自分の企業とのレベル差がどの程度なのかを確定してその目標達成に導くための戦略を実施していくプロセス」4)をいう。
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