特集 企業に学ぶ病院経営
トヨタ自動車株式会社の人事改革―愛知県立看護大学大学院・特別講義より
平井 さよ子
1
,
山田 聡子
1
,
坂之上 ひとみ
2
,
大原 まゆみ
2
,
岸 由香
1
1愛知県立看護大学
2愛知県立看護大学大学院
pp.345-355
発行日 2001年5月10日
Published Date 2001/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901414
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トヨタ方式は看護界に生かせるか
はじめに
21世紀を迎えて,日本の保健・医療・福祉を巡る環境はますます変化し,私たちはかつてない激動の真っ只中にいる。こういう転換期には前例となる処方箋がない。したがって,私たち1人ひとりが知恵を出し合って,ときには大胆な変革を,あるいは日常的には地道な改善を繰り返していくことがポイントとなるのではないだろうか。環境の変化は,個人や組織に対して挑戦をもたらすといわれている。キャリア開発や組織開発は,個人と組織に対して環境の抱えている問題点と挑戦を理解させ,それらの解決に向けて計画的に個人と組織の自己変革を推進しようとする試みである。
愛知県立看護大学大学院では,看護教育・管理学領域の授業科目「院内教育特論」で,保健医療福祉を巡る急激な環境変化を転換期と捉え,なかでも組織と個人という視点から,この転換期における人的資源のマネジメントとはどうあればよいのかなど,さまざまな角度から検討を加え,探求している。この科目の教育目標は,「日本社会における企業の人的資源管理を比較しながら,病院および施設内における人的資源管理のあり方,特に能力開発,人材育成の基本的な考え方,システム構築の方法などを探求するとともに,研究方法について修得する」である。具体的な教育内容は表1に示すとおりである。
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