連載 看護管理業務の改善―鳥取市立病院の取り組み・2
医療事故防止―婦長マニュアルでの対応策
森本 和子
1
,
船本 和子
1
,
尾崎 幸子
1
1鳥取市立病院
pp.155-160
発行日 2000年2月10日
Published Date 2000/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901155
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安全な医療を提供できる看護をめざして
医療事故を起こすということは,患者に被害を与えることであり,それは許されない。また,医療事故を起こした看護婦も精神的にとても深く傷つく。
事故を起こさないためには,まず患者をよく知ることが大切である。患者の日頃の生活習慣,ADL,意識状態などを知ることで,事故防止の対策が立てられ,予防ができる。その代表に転倒・転落がある。しかし,対策を立て努力しているにもかかわらず,起きてしまうこともある。転倒・転落の危険があると思われる人については夜間でも再三確認に行くが,看護職が緊急の処置や重症患者の点滴に追われて徹底できない時もある。夜間には看護婦詰所に患者をベッドごと移動して見ることもある。「夜勤が無事に済むとホッとする。それでも次の勤務者が部屋まわりして帰ってくるまでの間は,何かあるのではないかと心配」という。こんな言葉を聞くたびに複雑な心境になる。
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