看護婦がホンネで語る医療事故・4
「自由に発言できる雰囲気」をどうつくる?—現場の婦長が語る医療事故
西村 浩一
pp.652-657
発行日 2001年7月1日
Published Date 2001/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903776
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「婦長の存在意義とは何か」
この連載も今回で4回目となる.過去3回で取り上げたテーマは,第1回が横浜市立大学附属病院の患者取り違え事故,第2回が東京都立広尾病院の点滴ミス,第3回が事故防止マニュアル,となっている.基本的には匿名で現役の看護婦に集まってもらって意見交換会を開き,実際に自分が勤務中に経験したこと,思ったことなどを率直に語ってもらう.それをベースに記串を構成してきた.
匿名の影に隠れて言うのは卑怯だ,という批判もあると思うが,組織の末端にいる者がより本音の部分を言いやすいようにと,あえて仮名を使った次第である.その中で多く出てきたのが“上”に対する不満の声だった.“上”とは,婦長であり看護部長であり,さらには副院長や院長,最終的には東京都や厚生労働省までもが含まれている.
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