第4回懸賞論文「病院から地域へのネットワークづくり」入賞作 優秀
病院から地域へのネットワークづくり10年―呼吸器を装着したALS患者の在宅療養への取り組みを通して
鈴木 桜子
1
1聖隷浜松病院看護部
pp.6-11
発行日 2000年1月10日
Published Date 2000/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901082
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はじめに
私は6年間の外来勤務を経て,神経内科病棟に強い希望で異動した。動機は,外来において神経内科担当になった時,医師による筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者への説明内容のあまりの苛酷さに衝撃を受けたことが始まりである。
通院中の患者は,困難ではあっても,自分で食べ,歩き,コミュニケーションも呼吸もできる。しかし説明は,「将来的にはそれらがすべて不可能になること。人工呼吸器をつければ生きることができること。その時にはすべてを家族や他者の介護に委ねなければならなくなること」であった。
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