調査報告
人工呼吸器を装着したALS患者の介護者の介護認識に関する調査―人工呼吸器装着選択状況からの検討
高岡 幸枝
1
,
河野 あゆみ
2
1大阪府立急性期・総合医療センター
2大阪市立大学大学院看護学研究科
pp.712-717
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102275
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
在宅ALS患者介護者の呼吸器装着の選択状況による認識の違いについて明らかにすることを目的とし、大阪難病医療情報センターに登録されている在宅人工呼吸器療法中ALS患者の介護者9人に半構成的面接を実施した。
介護者の呼吸器装着の選択状況を、「納得して呼吸器を選択した群」と「納得せず呼吸器を選択した群」に分類し、2群間の介護認識を質的に比較検討した。その結果、前群は呼吸器装着や介護を肯定的に認識し介護継続への希望がみられた。一方、後群は呼吸器装着の認識は否定的で介護継続への希望はみられなかった。
介護者が呼吸器について理解し、納得したうえで呼吸器装着を選択することは、肯定的介護認識や介護継続意欲の促進につながる。したがって、ALS患者の呼吸器装着選択は、介護者の理解や納得が得られる情報提供とその成立への支援が必要である。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.