退院計画 病院に求められる新しい機能・1
退院計画の概念と内容—米国での展開を中心に
手島 陸久
1,2
,
中谷 陽明
1,3
1退院計画研究会
2日本社会事業大学
3東京都老人総合研究所
pp.722-725
発行日 1993年8月1日
Published Date 1993/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900437
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はじめに
疾病構造の変化に伴って,入院医療が終了した後も様々な治療・管理や介護を要するケースが増加している.近年では家族構造や意識の変化もあいまって,スムーズな退院が困難な例は高齢者を中心にますます増加しつつある.その一方で,病院は経営上の理由等から長期入院の防止や入院期間の短縮を迫られている.退院をめぐる問題は,多くの病院にとって今や重要課題となっている.
こうした中で,近年「退院計画」あるいは‘Discharge Planning’という言葉をときおり見聞きするようになった.しかし,その概念や具体的内容について十分な説明のないまま使われている場合も多く,漠然としたイメージのみが先行しつつあるようにも感じられる.退院計画を病院に導入すれば長期入院問題はすべて解決するのではといった過剰な期待や,退院計画というのは患者を病院から追い出すための方策であるといった偏ったイメージも,一部には生じてきているように思われる.
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