特別記事
病院ボランティア活用への提言―緩和ケア病棟での経験から
坂井 久也
1,2
1東洋英和女学院大学大学院人間科学研究科
2信愛病院緩和ケア病棟
pp.692-698
発行日 1998年9月10日
Published Date 1998/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900882
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私は,東洋英和女学院大学大学院人間科学研究科V類(「人間の生と死」)に「日本のホスピスの現状と課題点」を研究テーマとして在学中である.医療関連職の経験はなく,専門資格も持たない素人であるが,「非医療従事者の視点だからこそ見えるものがあるのではないか」という思いを小さな支えとして研究を続けている.しかし,現場から遊離している点や当たり前と思われていることを知らなかったり,重要な問題点を見落としていたりすることもあろう.本稿が看護職をはじめとして医療現場に関わっておられる方々の目に触れることにより,さまざまなご意見やご批判をいただければ幸いである.
私が信愛病院でボランティアを行なうようになったきっかけは,ホスピス・緩和ケア病棟の現状を知るためであった.いわば研究のため不純な動機で始めたのだ.しかし,現在は当初の目的のためばかりではなく,さまざまな患者や病院関係者,ボランティアとの接触が,私にとって生活のバランスをとる上で重要な役割を占めるようになってきている.
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