憧れのクリムト

　1年のうち約半分を海外で過ごしているが，その理由の1つに世界各地の美術館めぐりがある．どこそこでこういう興味深い展覧会があると聞けば，すぐさま飛んで観にいってしまうのである．

　とりわけ印象深い思い出の展覧会は，ウィーンで1985年に開催された「夢と現実1870-1930」展である．ウィーン世紀末を再現したこの展覧会はまさに絢爛豪華．絵画，建築，哲学，医学に関わった，きら星のごとくきらめく多彩な才能を持つ人々の仕事を振り返るというものであった．