連載 院内研究 手とり足とりはじめの一歩・5
データの集め方・整理の仕方
祖父江 育子
1
1京都大学医療技術短期大学部看護学科
pp.400-408
発行日 1998年5月10日
Published Date 1998/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900827
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データ収集法の種類と特性
目的,対象と研究デザインが決まると,次は材料(データ)を集める方法について考えます.「観察法」「面接法」「質問紙法」のどの方法が最適かを判断しましょう1-6).
どのデータ収集法を用いるかは,研究デザインよりも,むしろ目的と対象によって決まります.片麻痺患者の起居動作を知る目的の場合は観察法が用いられ,対象者の主観(内面)を知るためには面接法や質問紙法が採用されます.質問紙法は,対象者の匿名性が大切な場合や社会規範に反することを尋ねる場合に有効ですが,回答が表面的になるきらいがあります.一方,面接法は,心の変容過程のように深い内容を知りたい研究に有効ですが,面接者の対人関係能力によって結果が大きく左右されるおそれがあります.
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