連載 院内研究 手とり足とりはじめの一歩・12(最終回)
初心者への研究指導の仕方
祖父江 育子
1
1京都大学医療技術短期大学部看護学科
pp.950-957
発行日 1998年12月10日
Published Date 1998/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902274
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初心者による院内研究の到達目標
院内研究では,初心者に対する研究指導の観点よりも,研究による看護の質の向上が重視され,新しい知見を得ることや臨床ですぐに使える知識の生産が「成果」として期待されています.
しかし,この研究目標を看護技術に置き換えて考えてみると,「初心者は習ったばかりの採血の知識と技術を使って,組織が脆弱な老人患者の採血ができる」というように,初心者がエキスパートに成長するまでに必要な教育や経験などの「過程」が無視されていることに気づきます.院内研究では,初心者に高度な研究成果を求めるという奇妙な現象が生じているようです.
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