実践報告
自己啓発をめざした継続教育―「生涯学習認定システム」の導入
山田 明美
1
,
山田 繁代
1
1兵庫医科大学病院看護部
pp.784-789
発行日 1998年10月10日
Published Date 1998/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900731
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はじめに
医療の高度化・専門化の一方で,高齢化を背景とした疾病構造の変化に伴い,国民は看護界に大きな期待を寄せている.このような社会のニーズに応えるためには,基礎教育を終えてライセンスを獲得した看護婦が,さらに学習を積み重ね,自らの能力を開発していかなければならない.まさに,生涯を通じた学習が求められているのである.
1981年の中央教育審議会答申1)は,学ぶ側の視点に立った「生涯学習」についての留意点として,①生涯学習は,生活向上・職業上の向上や自己実現をめざし,各人が自発的意志に基づいて行なうことを基本とすること,②生涯学習は必要に応じ,可能な限り自己に適した手段および方法を自ら選びながら,生涯を通じて行なうものであること,③生涯学習は,学校や社会の中で意図的・組織的な学習活動として行なわれるだけでなく,人々とのスポーツや文化活動,趣味,レクリエーション,ボランティア活動などの中でどこでも行なわれるものであること,の3点をあげている.つまり,学習者の視点である「生きがい」「主体性」「自己実現」の3つのキーワードを柱とした,個人の「成長」をめざした教育システム2)を開発する必要性があると考える.
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