特集 保健婦の自己啓発と能力開発
リーダーシップと自己啓発
坂口 順治
1
1立教大学
pp.602-606
発行日 1992年8月10日
Published Date 1992/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900538
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時代の変化
時の流れは社会の構造を変え,人々の生活価値をも変えていく。保健所の存在も,豊かさの社会出現,公衆衛生思想の普及に伴って,地域住民の期待も変化し,その意味づけも変わってきた。
第二次大戦後の占領政策遂行過程において,保健所活動を支えていたのは多くのすぐれた先輩保健婦の献身的なリーダーシップによるところが大きく,その時代の社会思潮を変えていく原動力の1つにもなっていた。予防医学や公衆衛生思想の普及と実践,生活改善運動にみられる強力なリーダーシップは,当時の個性的保健婦たちの職業的専門性と,ボランティア・スピリットによって支えられていたと言っても過言ではなかった。パイオニアとしての強烈な個性を働かした保健婦のリーダーシップがあってこそ,住民の中に保健所活動が定着したと言えよう。
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