特集 保健婦の自己啓発と能力開発
自己啓発と能力開発
童門 冬二
pp.591-595
発行日 1992年8月10日
Published Date 1992/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900536
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自身は何の木か,何の鉱石か
昔の人はうまいことを言った。「人づくりは木づくりである。だから,気配りが大切だ」人を作るのは,木を育てるのと同じだという意味だ。しかし,木を育てるのにも,1本1本違う。木の種類が違うからだ。だから,木を育てるのには,まず,「これは何の木か」という見定めが必要だ。この木はスギ,ヒノキ,マツ,ケヤキ,バラ,あるいはクヌギ,ナラなどの,いったい何に当たるだろうか,という見定めをしなければ,その木に合った育てようも発見できないということだ。
自己啓発や自己の能力開発も同じだ。自己啓発や能力開発は,自分で自分を育てるということだ。しかしそれには,「いったい,自分は何の木なのか」という自覚・認識から始めなければならない。自分がマツであるにもかかわらず,他の木を育てるような肥料のやり方や,枝葉の取り払いや,あるいは添え木などをしても実効は上がらない。トンチンカンな育て方になってしまう。
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